- ソーリン・オーケンシールドの祖先、ソーリン一世(Thorin I)についてはソーリン一世を参照してください。
- ダーイン二世の息子で、エレボールの山の下の王国の王位を継いだ石の兜ソーリン三世(Thorin III Stonehelm)についてはソーリン三世を参照してください。
ソーリン二世 †
概要†
カテゴリー | 人名 |
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スペル | Thorin II*1 |
異訳 | トーリン二世 |
その他の呼び名 | ソーリン・オーケンシールド(Thorin Oakenshield)*2 山の下の王(King under the Mountain) |
種族 | ドワーフ(長鬚族) |
性別 | 男 |
生没年 | 第三紀2746~†2941年(享年195) |
親 | スラーイン二世(父) |
兄弟 | フレリン(弟)、ディース(妹) |
配偶者 | なし |
子 | なし |
解説†
『ホビットの冒険』及び書籍版『指輪物語』での表記はトーリン。『指輪物語』電子書籍版の翻訳改訂でソーリンに修正された。
ソーリン・オーケンシールドと呼ばれる。エレボールの山の下の王国の王であったスロールの息子であるスラーイン二世の息子。
彼は長鬚族の王であるドゥリンの世継であり、エレボール没落後は名目上に過ぎなくなったとはいえ山の下の王であった。そのため非常に誇り高く、さらに頑固で時に高慢でもあった。だが決して愚かだったわけではなく、いざとなれば勇敢であり、ドワーフらしく仇を忘れることが無いように、恩義を忘れたり蔑ろにしたりすることも決してなかった。
「われこそは、山の下の王、スロールのむすこスラーインの、そのむすこソーリンなるぞ!」と、ドワーフは大音声をあげて名のりました。そしてそのありさまは、ぼろぼろの服とずたずたの頭巾をつけているにもかかわらず、名のりにふさわしく見えました。黄金の光が、首と腰にかがやき、眼光はするどく、深くさえていました。*3
『ホビットの冒険』にてビルボ・バギンズを連れ、はなれ山を龍のスマウグより奪回するための冒険に旅立った13人のドワーフの頭。同作では銀の房のついた青空色の頭巾をかぶり、首に金の鎖をかけていた。お茶の時間に袋小路屋敷に押しかけた際には、ガンダルフといっしょに赤ワインを注文し、食後には金のハープを演奏している。
来歴†
山の下の王スロールの息子スラーインの息子として、エレボールに生まれる。
第三紀2770年にスマウグが襲来した時、ソーリンは冒険に出かけていて難を逃れ、山と谷間がスマウグに襲われるのを目撃。やがて祖父と父が山から脱出してくると彼らに合流し、共に
祖父スロールが殺されたことに端を発するドワーフとオークの戦争では若年ながらドワーフの連合軍に参加。決戦となる2799年のナンドゥヒリオンの合戦において、ソーリンは割れた盾の代わりに樫の枝を使って戦い、これがオーケンシールド(樫の盾)の名の由来となった。
戦いが終わると父スラーイン二世と共に放浪の生活に戻り、褐色国からエリアドールに移ると、2802年に青の山脈に仮住まいを持った。
2841年にスラーイン二世はエレボールを目指して旅立ったが、旅の途上で失踪し、一族の許には戻らなかった(死人占い師に捕らえられ、ドル・グルドゥルの土牢で非業の死を遂げたことが後に判明する)。
そのためソーリンは長鬚族の王位を継承。青の山脈に館を築いて徐々に一族と富の数を増やしていった。だがソーリンの心中からスマウグへの復讐の念が絶えることはなく、奪われた父祖の財宝を取り戻したいとの思いに心は燃え立っていた。
ガンダルフとの出会い†
第三紀2941年3月15日、旅から帰る途中ブリー村に立ち寄ったソーリンは、そこで偶然ガンダルフに出会う。エレボールを奪回したいソーリンと、スマウグを排除したいガンダルフの思惑が一致したことで、ソーリンはガンダルフを青の山脈の自分の館に招いて遠征への助力を依頼した。
当初ソーリンは、軍を起こしてスマウグに公然と戦いを挑むことばかりを考えていたが、ガンダルフは北方の情勢悪化の裏には死人占い師(サウロン)の悪意があることを見通しており、その妨害を避けるためにも隠密行動を選ぶべきであると提案、それに役立つ忍びの者としてホビットのビルボ・バギンズを同行させるよう強く主張する。
ソーリンは、最初ガンダルフの計画に懐疑的であり、ビルボを連れていくことにも反対だった。実際に袋小路屋敷を訪れ、突然の来客に動揺したビルボの滑稽な振る舞いを目にしたソーリンは、ガンダルフが自分を愚弄しているに違いないと考え内心激怒していたという。
しかしその夜、ガンダルフはドル・グルドゥルで今際のスラーイン二世から預かっていた、エレボールの秘密の隠し戸の在処を示す地図とその鍵を明らかにする。地図と鍵を受け取ったことで、ようやくソーリンはガンダルフを信用し、彼の計画に乗って遠征を行うことを決意。エレボールの財宝の14分の1を報酬に、ビルボを忍びの者として正式に雇い入れた(これらのいきさつは『終わらざりし物語』「エレボールへの遠征」で詳しく述べられている)。
エレボール遠征†
ソーリン・オーケンシールドをはじめとした13人のドワーフ(ドーリ、ノーリ、オーリ、バリン、ドワリン、フィーリ、キーリ、オーイン、グローイン、ビーフール、ボーフール、ボンブール)と、忍びの者ビルボ・バギンズ、そして魔法使いガンダルフは、第三紀2941年4月のある朝、エレボール(はなれ山)への遠征に出発した。
旅の途上でソーリンはエルフの名剣オルクリストをトロルの岩屋から発見。ゴブリン町ではオルクリストを抜き放って、ガンダルフの振るうグラムドリングと共にゴブリンに多大な脅威を与えた。だがオルクリストは闇の森の王国でエルフに捕らえられた時、取り上げられてしまう。
当初、ビルボに対しては尊大に接し、忍びの者として雇ったことを理由にことあるごとに厄介事を押し付けた。だが彼を見捨てることは一度もなく、やがてビルボが真価を発揮して一行の危機を何度も救うようになると、厄介事を押しつける姿勢はそのままながら彼を非常に高く評価し、信頼を寄せるようになる。
エレボールにたどり着いて財宝を検分した時、ソーリンは感謝のしるしとしてビルボに白銀色の鎖帷子を贈った(これはミスリル製であり、ずっと後にそのことを知ったギムリは「王者の贈り物」と評している)。
だがソーリンは父祖の財宝、わけてもその中にあるはずのアーケン石に固執しており、スマウグが弓の名手バルドに討たれると、財宝を巡ってソーリンの一党とバルドの一派との間で諍いが起きるようになる。
バルドは谷間の国の領主ギリオンの末裔であり、ソーリン達が見出した財宝の中には元来は谷間の国のものである物も含まれていた。バルドはその分け前を要求すると共に、スマウグによって壊滅した湖の町の復興への援助を要請。だがバルドが自分たちを捕らえた闇の森のエルフ王と行動を共にしていたことで、ソーリンは態度を硬化させる。さらに事態を打開しようとしたビルボが隠し持っていたアーケン石をバルド側に渡したことが判明すると、ソーリンは激怒してビルボを追放。ますます態度を硬化させたソーリンはエレボールの廃墟に籠城し、大ガラスを使ってくろがね連山のダーイン率いるドワーフの援軍を呼び寄せ、一戦交えてでも石を含めた全ての財宝を我が物にしようとした。
しかしそこにゴブリンとワーグの軍勢が到来したことで、バルド・エルフ王とダインは急遽停戦して共同戦線を張り、五軍の合戦となる。
数で勝るゴブリン・ワーグ軍に、人間・エルフ・ドワーフ軍は劣勢となるが、そこでついにソーリンは財宝への執着を断ち切って籠城を止め、山の下の王として12人の仲間達と共に撃って出ることで戦いの流れを変えた。ソーリンは致命傷を負ったが、結果として人間・エルフ・ドワーフ軍は勝利を収め、北方の諸種族の間に蒔かれた遺恨は取り除かれた。
戦いの後、今際のきわにあったソーリンはビルボと再会。ビルボに謝罪の言葉を述べ、和解して身罷った。
「あなたの心のなかには、あなたが知らないでいる美しさがあるのじゃ、やさしい西のくにのけなげな子よ。しかるべき勇気としかるべき知恵、それがほどよくまじっておる。ああ、もしわしらがみな、ためこまれた黄金以上に、よい食べものとよろこびの声と楽しい歌をたっとんでおったら、なんとこの世はたのしかったじゃろう。だが、かなしいにせよ楽しいにせよ、もうわしは、ゆかなければならぬ。さらば、じゃ!」*4
ソーリンはエレボールの奥深くに葬られ、その胸にはバルドによってアーケン石が抱かされ、その墓所にはエルフ王によってオルクリストがささげられた。山の下の王には、ソーリンにとって又従兄弟にあたるダーイン二世が即した。
画像†
映画『ホビット』における設定†
俳優 | リチャード・アーミティッジ |
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日本語吹き替え | 東地宏樹 |
字幕及び吹替での名前は『ホビットの冒険』書籍版及び『指輪物語』書籍新版に従いトーリン。
原作よりも若い、壮年のドワーフ。年齢は少なくとも150歳以上で、オーイン、グローインとほぼ同世代である。鬚を短く刈っており実際よりも若く見える要因になっているが、これにはエレボールで死んだ者への追悼、自らの戒めの意味が込められているとリチャード・アーミティッジが語っている。
エレボールがスマウグに攻撃されたとき、スランドゥイルが自らの軍勢をスマウグと戦わせることを恐れて見捨てたため、エルフに強い不信を抱くようになった。
ナンドゥヒリオンの合戦において、アゾグに追い詰められた際に、樫の枝を盾に使って反撃、アゾグの左腕を切断して退却に追い込み、戦局を一変させた。この時の枝を、より使いやすい盾として加工し、そのまま使い続けて持ち歩いていた。この盾はゴブリン町を抜けた後のアゾグとの再戦時に意識を失い、大鷲にすくい上げられた時に落としている。
オルクリストは闇の森で、レゴラスに取り上げられている。
当初は原作同様、ビルボ・バギンズが旅に役立つのか非常に懐疑的であり(実際一行がゴブリン町を抜けるまでは、ビルボは足手まといになっていることが原作よりも強調されている)、ビルボを連れてきたのは間違いだと考え、一行が裂け谷を出た直後、霧ふり山脈での夜営中、ビルボがひとりで帰ろうとしていることに気付いても、止めようとしなかった。
だがゴブリン町を抜けた後、自分がアゾグに追いつめられ、他のドワーフが助けに行けない状況の中、ビルボが危険を冒して自分を助けに来たため、彼を信用するようになる。
祖国の再興を誰よりも強く願っていた。一方、祖父スロールが財宝に魅了されるのを目の当たりにし、自分はそうはならないという信念を持っていた。だがソーリンも実際にエレボールの財宝を目にして魅了されてしまい、特にアーケン石に執着する様子を示すようになる。このスマウグの呪いは原作よりも強く描かれており、セリフの一部はソーリンの声とスマウグの声が合成されている。また仲間の裏切りを疑い、さらにアーケン石をバルドたちに渡したことを告白したビルボをも殺そうとした。
葛藤の末に理性を取り戻してからは五軍の合戦の渦中に飛び込み、からすが丘に陣取るアゾグを討ち取るべく、フィーリ、キーリ、ドワリンとともに向かう。罠にはまったフィーリとキーリが殺される中、ソーリンもまた追い詰められるが、レゴラスの投げたオルクリストを受け取り危機を脱した。その後は一騎打ちの末アゾグとの決戦を制し、長年の因縁に終止符を打つが、自身も致命傷を負ってしまう。そして、介抱しようとするビルボに謝罪と感謝の言葉を述べて生涯を終えた。
籠城時は、原作にあるかがやくよろい、純金のようにかがやきわたりました。の記述通り、黄金の鎧を身につけている。だが五軍の合戦に突入するときは、黄金の病から解き放たれたことを強調するためか、出立時の防具に近い鎖帷子となっている*5。
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プレイヤーの種族にドワーフを選んでゲームを開始すると、チュートリアルプレイ時に、エレド・ルインの館からはなれ山へ出発しようとしているソーリンが、旅にホビットを連れていくべきだというガンダルフと言い争っている光景が見られる。
この光景は、『終わらざりし物語』に記されているソーリンとガンダルフのやり取りを元にしている。
チュートリアル終了後は五軍の合戦後になるためソーリンは登場しないが、アザルヌビザールの合戦を再現した場面で、当時のソーリンが登場する。
Include/ソーリンとその仲間†
ソーリンとその仲間 | |
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ドワーフ | ソーリン・オーケンシールド、バリン、ドワリン、フィーリ、キーリ、ドーリ、ノーリ、オーリ、オーイン、グローイン、ビーフール、ボーフール、ボンブール |
ホビット | ビルボ・バギンズ(忍びの者) |
魔法使い | ガンダルフ |
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