エレヒ

概要

カテゴリー地名
スペルErech
その他の呼び名エレヒの丘(Hill of Erech)

解説

先ヌーメノール語の名前で、意味は不明*1モルソンド川の上流域、黒根谷にある丘。この丘の頂上にエレヒの石があった。

ゴンドールが建国されたとき、土着の人間である山々の人間の王は、エレヒの石の上でイシルドゥルに忠誠を誓った。そこでイシルドゥルはサウロンとの戦いが始まったときに山々の人間を召集したが、彼らはゴンドール建国以前の暗黒時代にはサウロンを崇拝していたため、戦いを拒んだ。そのためイシルドゥルは誓言を破った彼らに、永久の眠りにつくべからずという呪いをかけた。以後この地や死者の道は、幽霊の住む場所として恐れられた。

指輪戦争のおりにはマルベスの予言通り、イシルドゥルの世継ぎであるアラゴルン二世がエレヒの石で死者の軍勢を召集した。

エレヒの石 (Stone of Erech)

黒の石(Black Stone)とも呼ばれる。エレヒの丘の頂上にある、黒い丸石。イシルドゥルヌーメノールより持ち込んだとされ、後に死者の軍勢となった山々の人間の王はこの石の上でイシルドゥルに忠誠を誓った。
指輪物語』原著の索引でのトールキンの説明では、「会合の石(イシルドゥルの支配権のシンボル)」*2とされている。

この丘とその周りの人住まぬ野には久しく死者たちの恐怖が宿っていました。というのも丘の頂には黒い石が立っていたからです。この石は大きな球のように丸く、人間の高さほどもありますが、半分は土の中に埋まっていました。一見してこの世のものとは思われぬ薄気味悪い感じで、一部の者が信じているように空から落ちて来たかのように見えましたが、海のかなたのさいはての西方国の伝承を今なお憶えている者たちは、この石がその西方国すなわちヌメノールの廃墟から持ち出されたもので、イシルドゥルがこの中つ国に上陸した時、その手でここに据えたものだと語っていました。この谷間に住む者たちは一人としてこれに近づこうとする者はありませんでした。またこの近くに住もうとする者もいませんでした。というのも、ここは幻の人間たちの集会場所で、不安の時代には、ここに集い、石の周りにひしめきあってひそひそとざわめいているといわれていたからです。*3

映画『ロード・オブ・ザ・リング』における設定

登場しない。映画では死者の軍勢は、死者の道で招集されている。

ゲーム『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における設定

エレヒの石周辺は亡霊が徘徊する場所になっている。イシルドゥルが山々の人間に呪いをかける場面、アラゴルンが彼らを召集する場面を再現したセッションプレイもある。

『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』におけるエレヒの石

コメント

最新の6件を表示しています。 コメントページを参照

  • わざわざヌメノールの崩壊を逃れて持ち出されたところを見ると、ただの石ではなく何か呪力のようなものを秘めているのでしょうか。 -- 2012-10-14 (日) 18:46:33
  • 作中に出てくる宝石・オブジェの例に漏れず、大きさは不明 -- 2015-09-20 (日) 23:17:54
    • 「人間の高さほどもあります」とあるので、LotROのは明らかに大きすぎ。こんなのをどうやって運んできたのかw -- 2015-09-21 (月) 01:29:54
      • ヌメノールの船舶が現代のタンカー並の大きさである可能性も微レ存 -- 2020-08-09 (日) 23:02:28
  • エルの贈り物である死をなぜ人間のイシルドゥアが奪うことができたのか?どうもこの石が怪しい(石の上での誓い、アラゴルンによる石への召集、石にかけての攻撃命令)。描写からも健全なものには見えない。死者を操るという点ではサウロンがらみか、死なない(死ねない)命という点では王党派の産物かもしれない。 -- 2017-08-18 (金) 20:32:22
  • 具体的にどんな用途で使うんでしょうか?大した説明はされてませんよね? -- 2017-08-19 (土) 00:45:57
    • 他者から生命エネルギーを奪い取り、使い手に補充することで寿命が伸びる、という意図で作られたけど、延命の効果は得られず。生命力を奪われた方がアンデッド化するだけの品物に、とか。 -- 2017-08-21 (月) 00:07:59
  • 結果的には子孫と中つ国の自由の民を救ったとは言えここでイシルドゥアがやったこと自体はかなり異質。肉体を保ったままの不死じゃなくてマンドスの館への招集の延期という意味で考えると決定的に異なるけど王党派ヌーメノールかサウロンの呪術かと思うレベル。一つの指輪の影響だろうか… -- 2020-08-10 (月) 00:00:34
  • この石にかけた誓いと死者の軍勢との関係は、ハリフィリアンのエレンディルの墓石とエオルの誓いの一件と対になっている。詳しくは『終わらざりし物語』「キリオンとエオル、およびゴンドールとローハンの友情」の描写を確認してほしい。
    エレヒの黒い石と、エレンディルの黒い墓石。死者のざわめきで満たされたエレヒの丘と、厳粛な沈黙で満たされたハリフィリアンの丘。どちらも丘の「黒い石」にかけて、中つ国の人間がドゥネダインに対して同盟を誓った。死者の軍勢は誓いを破り、ロヒアリムは守り続けた。その両者が共に指輪戦争では自由の民の決定的な援軍として集結するという運命の綾。
    ここから考えれば、エレヒの黒い石が何であったかというのも、エレンディルの墓石の役割に照らして理解することが可能になる。おそらく「黒い石」は誓いの言葉を最大限「謹厳」にする重みを付与するというだけのもの。死者の軍勢が呪われたのは、石の力というよりも、石によって最大限に「重い」ものとなった誓いの言葉を破ったから。その意味で黒い石は単なる言葉の増幅器であって、本来的には邪悪なものではなくニュートラルなものであったはず。 -- 2022-07-03 (日) 01:08:05
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