エルフ王の岩屋†
概要†
カテゴリー | 地名 |
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スペル | Elvenking's Halls |
異訳 | エルフ王の |
解説†
闇の森の北東部にある森エルフの王国の地下宮殿。王国が闇の森の北東部へと縮小するに伴い、スランドゥイルによって築かれた。『二つの塔』でのギムリの発言によると、建造にはドワーフの助力があったという。
『ホビットの冒険』において、闇の森で彷徨っていたところを森の王国のエルフに捕らえられたソーリンら13人のドワーフは、旅の目的を話そうとしなかったため、エルフ王(スランドゥイル)によって岩屋の各所にある独房にそれぞれ監禁された。一方ビルボ・バギンズは一つの指輪を使って姿を隠し、エルフの食べ物を盗み食いして食を繋ぎながら*1、1~2週間岩屋の内部や周辺を探検しつつ機会を窺っていた。そして秋の宴が行われている夜に、ドルイニオン産のワインで酔いつぶれた番兵長から牢屋の鍵を盗み、ドワーフたちを解放。彼らを空の樽に入れて岩屋の地下を流れる小川に流し、脱出させた。
構造†
闇の森の端から数マイル内側にある木々に覆われた丘の地下に築かれており、戦時には砦を兼ねる。橅の大木が生える丘の南側には森の川が流れ、川に架けられた橋の先にある丘の険しい南斜面に入口があり、その石の大扉は魔法によって自在に開閉する。内部の洞窟は松明で照らされ、幾つも枝分かれしており、自然石から刻みだされた列柱がある王の大広間や、宝物庫、地下牢など大小様々な洞窟に繋がっている。
『終わらざりし物語』によると、この地下宮殿の様式はドリアスのメネグロスに倣ったものだが、シルヴァン・エルフはドリアスのシンダールに劣る上、スランドゥイルには技術も財産もドワーフの助力もなかったので、メネグロスには到底及ばないものであったという(ただしドワーフの助力に関してはギムリの発言と矛盾する)。
岩屋の最下層の地下には一つの小川が流れており、この小川は丘陵の東斜面にある落とし格子で閉じられた水門から流れ出て闇の森の東端付近で森の川に合流する。地下の小川の真上にあたる部分は酒樽などを貯蔵する王の穴倉になっており、エルフたちは小川をエスガロスとの物流に利用した。すなわち、エスガロスへ返却する空の樽を穴倉の落とし戸から小川に投げ落とし、それから水門の格子を引き上げれば、樽をエルフの筏乗りがいる下流の集積場まで流せるようになっていた。
画像†
『ホビットの冒険』の挿絵の為にトールキンはエルフ王の岩屋のイラストを何枚か描き、実際に収録された「エルフ王の門」を完成させた。それらにはナルゴスロンドと同一のイメージが用いられている。門の手前に階段が描かれているが、本文中では触れられていない。
映画『ホビット』における設定†
13人のドワーフが牢に捕らえられている期間は大幅に短縮され、1日に満たないと思われる。宮殿ではちょうどメレス・エンギリスが行われており、そのための葡萄酒が用意されていた。一行の脱出場面では、原作に登場するガリオンのほか、牢屋番のエルフにエルロスという名がつけられて登場している。
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ゲーム『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における設定†
Halls of the ElvenkingとしてFelegothという名がつけられており、王の間、ワインセラー、ドワーフたちが閉じ込められていた地下牢、空の樽を川に流す落とし戸などが再現されている。
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コメント†
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