エルフ

概要

カテゴリー種族
スペルElf(複数形Elves)*1
その他の呼び名イルーヴァタールの長子、クウェンディ(Quendi)、美しい民、最初に生まれた者たち(The Firstborn)

解説

中つ国に始めて誕生した、言葉を話す者(そのため彼らは自らのことを「声を出して話す者」の意である「クウェンディ」と呼んだ)。人間からは美しい民などと呼ばれる。
トールキンは、エルダールを訳すのに英語のElfという言葉を使ったという。elfは、小妖精などを表す言葉として使われていたが、トールキンによると、(『ホビットの冒険』『指輪物語』出版前の)エルフという言葉は「事実より矮小化されてしまった」ということになっている。

特徴

外見

人間に似ているが男も女も非常に美しく、人間よりはやや細身。身長は人間と同じかやや高い。肌は白で、髪の色は氏族によるが金、銀、黒など。トールキンが直接作品中で「エルフの耳は尖っている」という事に触れたことはないが、彼が残した資料から、彼がそう想定していたらしい事が伺える(それほど長いわけではない)。

能力

病気にかかることもなければ、老いることも寿命もない。暑さや寒さなどに対する耐性も高く、困難な状況でもよく耐える。
エルフは武器などによって殺されるか、生に倦み疲れて逝かない限り死ぬことはない。その「死」の意味も人間とは異なり、魂はマンドスの館で世界の終わりを待つことになる。明るい性格のエルフは多いが、年月と共に、叡智と哀しみが積み重なって行く。
最初のエルフは太陽もない、星々のみが世界を照らす時代に生まれたため、星明かり程度の光さえあれば遠方を見通す事ができる。またその視力も人間より遙かに鋭い。睡眠の意味も人間とは異なり、瞑想によって休息をとることができる。
身のこなしも非常にしなやかで、雪の上に足跡をつけずに歩いたり、草の茂る森林を音も立てずに進んだりすることができる。

文明・文化

人間より長い歴史を持り、エルフ自身の技量の高さもあり、文化や技術は人間を遙かに凌駕する。特に至福の国に渡ったエルフ(上のエルフ)はヴァラールに教えを受けたため、その能力はずば抜けている。耳も聡いため、歌や音楽の技量も非常に高く、言葉も美しい。

住居

開けた土地や森林に都市を造るが、放浪の生活を送るエルフも存在する。戦乱の時代による必要性によって、洞窟や要塞を住居とする事もあった。

歴史

最初のエルフは第一紀以前、星々の時代にクイヴィエーネンの湖の近くに誕生した。するとヴァラールは彼らを、危険の多い中つ国から西方の至福の国へと移住させる事を考えた。ヴァラールに促され、多くのエルフが西方へと移動する。だが、西方への移動に参加した者達のすべてが至福の国へと渡ったわけではない。また、至福の国へと渡ったエルフのうち、ノルドールの多数は中つ国へと帰還した。
ヌーメノールが滅ぼされ、至福の国が世界の圏外に移された後も、エルフにはまっすぐの道を通って西方へと去る恩寵が残されていた。そのため中つ国に倦んだ多くのエルフが船出して、西方に永遠に去って行き、次第に中つ国のエルフは減っていった。

氏族

クイヴィエーネンからの西方の旅でどのように行動したかによって分類される。クイヴィエーネンからの西方への旅を拒んだ者はアヴァリと呼ばれ、西方への旅を行った者はエルダールと呼ばれる。エルダールの中で第一陣はヴァンヤール、第二陣はノルドール、第三陣はテレリテレリは更に分けられ、大海を越えずベレリアンドに残った者はシンダール。それ以前に霧ふり山脈を越えなかった者はナンドールと呼ぶ。ナンドールのうち、後になって霧ふり山脈を越えてオッシリアンドに住んだ者はライクウェンディ緑のエルフ)、霧ふり山脈の東に残った者はシルヴァンとなる。
エルダールのうち、至福の国に渡らなかった者(シンダール、ナンドール)を指してウーマンヤールという。全てのエルフはカラクウェンディ上のエルフ或いは光のエルフ)とモリクウェンディ暗闇のエルフ)に分けられる。

クウェンディ(エルフ族)の分類
エルダール
クイヴィエーネンから、アマンに向け旅立ったエルフ。
アヴァリ
クイヴィエーネンからアマンへの旅を拒んだエルフ。
ヴァンヤール
イングウェに率いられたエルダールの第一陣。全員がアマンに渡った。
ノルドール
フィンウェに率いられたエルダールの第二陣。全員がアマンに渡ったが、後に多くがフェアノールに同調して中つ国への帰還を果たした。
テレリ
エルウェ・シンゴルとその弟のオルウェによって率いられたエルダールの第三陣。
ファルマリ
オルウェに率いられ、アマンへ渡ったテレリ。
ウーマンヤール
アマンに行かなかったエルダール。
ファラスリム
キーアダンを領主とするテレリ。オッセに説得されて中つ国に残った。
シンダール
シンゴルを王として、ベレリアンドに留まった灰色エルフ。
ナンドール
霧ふり山脈の東で、テレリの一行から離れたもの。
ライクウェンディ
ナンドールのうち、後にデネソールに指揮されて西に移動、オッシリアンドに住むようになった緑のエルフ。
シルヴァン・エルフ
霧ふり山脈の東に住んだエルフ。
この文字色カラクウェンディ即ち「光のエルフ」「上のエルフ」で、二本の木がある時に、アマンに来た者たちである。
この文字色モリクウェンディ即ち「暗闇のエルフ」で、アマンで二本の木の光を見なかった者たちである。ただしシンダールはその名の通り灰色エルフの意味で、暗闇のエルフとは分けて考えられることもある。詳細はシンダールの項目を参照。
言語

元々は一つの言語であったが、エルフ族の分裂が続くうちにいくつかに別れた。カラクウェンディの言語はクウェンヤ。モリクウェンディのうち、霧ふり山脈の西に住むものはシンダール語を使う。中つ国に帰還したノルドールはシンダール語を使うようになったが、儀礼などの時にまれにクウェンヤを使った。
霧ふり山脈の東に住むエルフの言葉はシルヴァン語。だがシルヴァン語の単語は原作中には出てこない。

偏見

オークを強く憎んでおり、冥王とその勢力を憎んでいる。シンダールドリアス滅亡の歴史的経緯からドワーフと確執がある。だがノルドールは、工人、職人としての共通点からか、ドワーフと比較的親しい。どのエルフも、海に対する強い憧れを持つ。

コメント

最新の6件を表示しています。 コメントページを参照

  • 何歳で成人するのだろうか?幼児期も長かったりするのだろうか?大体この種族、年取らずに長生きするわりには老成しないですよね。偏見強いし、結構短期だし、思慮が無さすぎのような気が・・・ -- ボリーの用心棒
    • HoMEによると一応成年と同じ心身になるのは50歳前後のようです。転生であった場合、前世の記憶を完全に取り戻すのもそのあたりになります。これらや「能力」の項目にもあるように人間の成長・老成とは全く異なっており、エルダールはどちらかというと成長するより、古い神話の個性の強い神々のように「特徴である性質を変えないまま、維持し続ける」存在だったのかもしれません。ただし、キーアダンがあまりの年月に外見までも老け込み、ガラドリエルが中つ国の覇者をめざす野心家から次第に落ち着いていったことなど、充分な年月と経験によっては成長や老成もあるようです。
  • 王族じゃない一般庶民のエルフの生活が気になる…土木や農作業で汗だく泥まみれになったりするんだよね(笑 -- 2007-07-20 (金) 01:42:55
  • ナルシルを鍛えなおす鍛冶屋さんは汗ひとつかいてなかったような… -- 2007-09-16 (日) 02:49:01
    • それもエルフの特質なんでしょうね。カラズラスではレゴラスはまったく寒そうな様子を見せていませんでしたし、モリアの東側の出口でも熱そうな感じじゃなかったし。 -- エグゼクター 2007-09-16 (日) 12:45:33
    • 暑さも寒さも感じないところが人間離れしていてよかったのかも。あと目を閉じずに眠るところ。 -- 05 2007-10-15 (月) 01:10:32
  • ノルドあたりは王族でも普通に建築したり採掘したり鍛冶仕事してるあたり人間とは違う文化っぽくて良い。 -- 2007-11-25 (日) 12:07:36
  • エルフの謎は、第一にまず寿命がなく、病死しないというが、飢えで餓死することはないのかということ。エルロンドの館の会食やレンバスという食べ物の存在を考えると、エルフも食事が必要でそれがなければ死亡してしまうように思えるが、実際どうなのか。第二に、繁殖について。エルフが人間なみに繁殖するとすれば、たちまち地上はエルフだらけになってしまうが、逆にエルロンドのように何千年もかけて子供を三人しか作らないようではあっという間に人口がなくなってしまうようにも思える。その辺り、どうなのか。 -- 冥王 2008-04-21 (月) 23:42:15
  • エルフってトイレするのかな・・・? -- 2008-09-04 (木) 12:06:06
    • ・・・するんじゃないかな? -- ホビット 2008-10-12 (日) 19:56:28
    • レンバス食べたり、酒を飲んだりするんだから出すものは出さないとメタボに… -- 2008-10-12 (日) 20:02:25
お名前:

*1 英語辞書ではElfの複数形はElfsのことが多いが、トールキンはElvesのほうが文法的に正しいとして、こちらを使った

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Last-modified: 2009-07-28 (火) 07:00:03 (116d)