エオメル

概要

カテゴリー人名
スペルÉomer
その他の呼び名エアディグ(Éadig)
種族人間ロヒアリム
性別
生没年第三紀2991~第四紀63(享年93)。在位第三紀3019~第四紀63(65年間)
エオムンド(父)、セオドウィン(母)
兄弟エオウィン(妹)
配偶者ロシーリエル
エルフウィネ

解説

リダーマークの王
第17代
セオデン
2980~3019
第18代
エオメル・エアディグ
第三紀3019~第四紀63
第19代
エルフウィネ
63~?

マーク(ローハン)の王セオデンの妹セオドウィンと、軍団長エオムンドの息子(つまりセオデンの甥にあたる)。エオウィンの兄。戦いにおいてはグースヴィネという剣を使い、火の足というに乗っていた。
指輪戦争ではロヒアリムを率いて角笛城の合戦ペレンノール野の合戦で戦い、ペレンノールで戦死した伯父セオデンからマークの王位を継承。アラゴルン二世とは強い友情を育み、彼の決断に従って黒門の戦いにも参加した。
この戦いにも生き残ったエオメルは、マーク王家第三家系の始祖となり、「幸多き」の意であるエアディグと呼ばれた。

幼少期から指輪戦争直前まで

第三紀3002年に父エオムンドオークに殺され、母セオドウィンもすぐ病を得て亡くなると、エオメルはエオウィンと共にセオデンに引き取られ、彼の養子としてエドラスで育てられる。
エオメルは長じると、父の役職を次いで東マークを統括する第三軍団軍団長として、谷地アルドブルグに本拠を持った。彼より13歳年上の従兄セオドレドとは強い友情で結ばれており、エオメルは彼をセオデンに次いで尊敬していたという。
セオデンがサルマンの間者グリマの術策によって耄碌しても、セオドレドとエオメルの王に対する忠誠心はいささかも揺るがず、また互いの信頼関係も揺るがなかった。そのためグリマは、可能な限りこの二人(特にエオメル)が王からの信頼を失うよう仕向けようとしていた。

角笛城の合戦前後

第三紀3019年(大いなる年)2月26日に、オークの一団が東谷に侵入したとの報を受けたエオメルは、エドラスからの命令を無視して自らのエオレドを引き連れて討伐に乗り出し、かれらを追跡して29日の夜明け前にファンゴルンの森のきわで追い詰め、包囲して殲滅する。
翌日、捕虜にされたメリーピピンを救出するためオークを追っていたアラゴルン二世レゴラスギムリの一行に行き会う。はじめは見知らぬよそ者に警戒心を示したが、アラゴルンがエレンディルの世継であることを名乗り、誘拐された友人二人を助けるためにローハンの平原を踏破してきたことを聞かされると、後で必ずエドラスに立ち寄るよう約束させるのみでかれらを見逃し、さらに馬を貸し与えた。
またこの時、ロスロリアンの森の奥方のことを網を編み、魔術を行う等と悪しざまに口にしたためにギムリの怒りを買う。

エドラスに戻ったエオメルは、命令に反してオークを追跡するために東マークの軍勢を連れ出しエドラスの防備を疎かにしたこと、よそ者を捕らえず国内を通行するのを見逃したこと、さらに彼らに馬まで貸したこと、といったかどでグリマに告発される。さらに、グリマがエオウィンを我が物にしようと狙っていることを知っていたエオメルは、宮廷内で剣を抜きグリマを切り捨てようとする。そのため、グリマの言いなりになったセオデンの命によって投獄された。
アラゴルンらとともにエドラスを訪れたガンダルフの手によってセオデンが癒され、グリマの呪縛から解放されると、エオメルも釈放される。エオメルはセオデンの信頼を取り戻し、軍事上の第一の相談役として王に付き添うこととなり、またセオデン亡き後の王位継承者に指名された。

セオデンに付き従ってヘルム峡谷まで軍を進めたエオメルは、角笛城の防衛を事実上指揮し、自らの手勢を城と峡谷を塞ぐ奥の城壁とに主に配置してサルマンの軍勢に備えた。攻撃が開始されると、しばしばアラゴルンと共に奮戦し、城門に攻め寄せる敵部隊を押し戻して活躍した。

エオメルとアラゴルンは裏口から飛び出しました。そのすぐあとには部下たちが続きました。二本の剣はあたかも一本の剣のように同時に鞘から抜かれてきらめきました。
グースヴィネ!」と、エオメルが叫びました。「マークにはグースヴィネ!」
アンドゥリル!」と、アラゴルンが叫びました。「ドゥネダインにはアンドゥリル!」*1

城壁の暗渠がアイゼンガルドの「火」によって爆破され、峡谷内まで敵が流れ込んでくると、エオメルはギムリギャムリングらと共に本陣から分断され、峡谷奥の燦光洞まで撤退する。だが夜明けとともにセオデンがヘルムの角笛を吹き鳴らして出撃すると、それに呼応して反撃。敵をヘルムの堤防まで押し返し、直後に到着したエルケンブランド西谷の援軍とともにセオデン、アラゴルンらと再会した。

合戦後も、アイゼンガルドに向かいサルマンと対話するセオデンに同行した。

ペレンノール野の合戦前後

パランティーアの判明、ナズグールの飛来、北方野伏の到着といった事件が重なったことで、アラゴルンロヒアリムから別行動を取りエレンディルの世継として死者の道を行くことを決意。エオメルとアラゴルンは戦場で再会することを期するが、死者の道の不吉な伝承を良く知るエオメルはそれを絶望視していた。
馬鍬砦に集結したマーク全軍は、そこから約6000騎が長征に加わり、赤い矢で援軍を要請してきたゴンドールに応えるためミナス・ティリスを目指す。

ドルーアダンの森ドルーエダインの酋長ガン=ブリ=ガンの援助を得たロヒアリムは道中敵に気取られることなく、破れたペレンノールの防壁に到達。そこから曙光と共に突撃したロヒアリムの軍勢は戦いの歓びに高らかに歌いながら戦場を席巻し、敵の手に落ちていたペレンノールの半分を掃討する。
だがその中で、セオデン魔王の攻撃によって命を落とす。率いるエオレドと共に今際のセオデンの許に辿り着いたエオメルは、彼からマークの王位を引き渡され王となった。
ところが、セオデンの周囲で倒れ伏している従者の亡骸を確認している途中、そこにエドラスに残してきたはずの妹エオウィンが横たわっていることに気付いてしまう。魔王に打撃を与えたために黒の息に冒され、一見すると死んだようになっている彼女の姿を見て衝撃と激怒に駆られたエオメルは、周囲の意見も聞かず馬に打ち跨って狂ったように戦場に取って返した。

「エオウィン、エオウィン!」ようやくかれは声を発して叫びました。「エオウィン、どうやってここに来たのだ? 何という狂気の沙汰だ、それとも悪魔のしわざか? 死だ、死だ、死だ! 死がわれら全員を襲うのだ!」 ……
「死だ! 進め、進め、破滅に向かって、この世の終わりに向かって!」
 そしてその呼びかけとともにローハン軍は動き始めました。しかしロヒアリムはもう歌いませんでした。「死だ!」かれらは異口同音に大きなすさまじい声で叫びました。そしてまるで大きな津波のようにしだいに速さを増し、かれらの戦いの場はかれらの死せる王の周りをかすめ通って去り、蹄の音を轟かせて南の方に駆け去って行きました。*2

恐るべき怒りに駆られたロヒアリムの軍勢は敵軍の前線を潰滅させ、ハラドリムの軍勢を二分して通り過ぎ、騎兵を敗走させ歩兵を全滅させるなどすさまじい戦いぶりを示したが、ムマキルの恐怖に対しては馬は無力で打ちかかることができず、ムマキルの周囲に敵軍が再集結しつつあった。さらにオスギリアスからは新手が送り込まれ、ハルロンドには海賊船が停泊しようとしていた。それを見て取って望みを失ったエオメルは、むしろ覚悟を決めて明晰さを取り戻し、沸き起こる戦意のために歌を口ずさんで笑う。

迷妄から出、暗闇から出て、日の上るまで
陽光に歌いながら私は来た、剣を鞘に納めることなく。
希望の果てるまで胸の裂けるまで、私は馬を進めた。
今は怒りの時、今は滅びの時、赤き夜の来る時。*3

しかしそこで停泊した海賊船に搭乗していたのは、ゴンドール辺境の諸侯国の兵を引き連れたアラゴルン二世であった。両者は再び戦場で再会した。
この援軍が決定打となって合戦の流れは変わり、モルドール軍はほとんどが追い詰められて殲滅された。

黒門の戦い指輪戦争の終結後

アラゴルン二世のテントで開かれた最終諸侯会議で黒門への攻撃が決定されると、エオメルは麾下のロヒアリム歩兵500名と騎兵500騎を率いて西軍に参加することが決まった。そのほか生き残った3000騎の騎兵はエルフヘルムに預けられてミナス・ティリスに残り、アノリアンに残存する敵兵力から都を防衛する任に当たることになった。
西軍は黒門まで進軍し、ローハンの兵達はドル・アムロスの兵達と共に、燃えかすの山の一方の小山に布陣した。

エオメルはこの戦いに生き残り、ローハンの新たな王(エオル王家の第三家系)として凱旋することができた。エオメルとローハンは即位したエレスサール王からあらためてカレナルゾンの地を永久に与えられ、その同盟の誓いを新たにした。
エオメルはエレスサール王の戴冠式に参列した後、戦後処理のためエオウィンやロヒアリムらと共に5月8日にローハンに帰郷。その後、ミナス・ティリスのラス・ディネンに一時的に安置されていたセオデンの棺台を引き取るため、7月18日にミナス・ティリスを再訪。その時、エレスサール王の婚儀のためにミナス・ティリスにやってきていたガラドリエルアルウェンに出会う。さらに、ギムリとのガラドリエルを巡る確執で和解して決着を付けた。
7月22日にはセオデンの葬列と共にエオメルらとエレスサール王、さらに裂け谷やロスローリエンのエルフと共にエドラスへ向けて出発。8月10日にエドラスセオデンの葬儀が執り行われた。その日の追悼宴の最後に、エオウィンとファラミアの婚約を発表した。

エオメル王は指輪戦争終結後もロヒアリムを指揮し、エレスサール王の軍とともに、サウロン同盟軍の残党と戦ったという。だがロヒアリムは待ち望まれた平和を謳歌できるようになったため、エオメルはエアディグ*4と呼ばれるようになった。またエオメルは第三紀3021年にイムラヒル大公の娘ロシーリエルと結婚し、後に息子エルフウィネが生まれる。

晩年の第四紀63年の春、エオメルはもう一度ホルドヴィネに会いたい旨の伝言をバック郷に送り、すでに老齢だが矍鑠としていたメリアドク・ブランディバックペレグリン・トゥックと共に呼び寄せる。同年の秋にエオメル王は薨じ、それまで2人のホビットはエドラスにいたという。

マークの王位は、息子のエルフウィネが継承した。

画像

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映画『ロード・オブ・ザ・リング』における設定

俳優カール・アーバン
日本語吹き替え山寺宏一

グリマの策略によって、投獄ではなく追放されたことになっている。
角笛城の合戦では、エルケンブランドの代わりに城外からガンダルフとともに救援に来る立場になったこともあり、アラゴルンとの友情の話は大幅にカットされた(アラゴルンと共に戦う場面がない)。またセオデンとの会話シーンも少なく、特に『王の帰還』では、ペレンノール野の合戦でのセリフがほとんどない(セオデンのセリフに流用されている)うえ、セオデンがエオメルに王位を譲るセリフもないため*5、原作よりも存在感が薄くなってしまっている。

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『ロード・オブ・ザ・リング』におけるエオメル『ロード・オブ・ザ・リング』におけるエオメル

グッズ

ゲーム『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における設定

『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』におけるエオメル

コメント

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  • かっこよすぎます?
    セオデン王に絶対忠誠しているところなんか、すごくいい? -- エステル 2009-08-22 (土) 14:51:05
  • その薄い存在感を補って余りある、圧倒的な鼻の穴の存在感であった。 -- 2009-09-27 (日) 20:20:19
    • あと眉毛ですねw -- 2013-04-28 (日) 01:11:41
  • ロシーリエルとの結婚でロヒアリムにもエルフの血が入ったことになる? -- 2011-03-21 (月) 18:08:01
    • モルウェンによってもエルフの血が入ったのでは? -- 2011-03-21 (月) 19:03:28
  • エドラスの塚は片側が第1家系、反対側が第2家系になっていましたが、第3家系はどのように葬られたんでしょうね。 -- 2012-02-10 (金) 01:09:45
  • 映画的人員整理により、旅の仲間以外の主要キャラは全般的に不遇なのは致し方ないところか・・・。 -- 2012-02-12 (日) 03:08:59
    • デネソールさんの扱いに比べれば彼はまだマシだったかと…(´;ω;`) -- 2013-07-24 (水) 12:34:26
      • ムマキルに乗ってた遠ハラドの酋長?みたいなキャラを投げ槍で倒したりとか活躍シーンはあったもんね。対してデネ公は扱いがほとんどキ印……。 -- 2013-07-24 (水) 15:23:53
  • 晩年、今一度ホルドヴィネに会いたいと使いを出し、メリーとピピンのローハン、ゴンドール訪問をなさしめたのはこの人ですね。 -- 2013-02-17 (日) 21:59:29
  • 原作ではギムリとも紆余曲折あって仲良くなってたのが男同士の友情っぽくてよかったなあ。ガラドリエル様を一番美しい人と認めるかで改めて決闘しようとするところとか。 -- 2013-03-03 (日) 21:46:39
    • 王の帰還でキッチリ決着させてましたね。へたすりゃ読者の方が忘れていそうなことでしたが。 -- 2013-03-04 (月) 00:08:34
  • 映画でアラゴルン達と初めて会った後、騎乗して去るときに剣が鞘から抜け落ちてたのが凄い気になったw -- 2013-12-13 (金) 00:43:55
    • 王の帰還の、ペレンノール野のオーク軍に騎馬突撃するシーンでもエオメルの槍が手から離れて浮いてたのが気になる -- 2015-07-02 (木) 22:14:10
      • 雄たけびを上げながら持ち替えていて、かっちょいーって思いましたよ。 -- 2015-12-11 (金) 18:15:09
  • アラゴルンに「(出会ったその日から)わたしはあなたが好きでした」というところがすごく微笑ましくて好き。 -- 2015-05-06 (水) 01:16:40
  • 映画の槍を投げて実質二体のムマキル二頭を倒したのも凄いけど、アラゴルンが来た喜びのあまり、歌いながら剣を放り投げてキャッチする原作も凄い -- 2015-06-30 (火) 19:28:45
    • 青年王エオルが誓いを立てた時にも剣を空中に放り投げてキャッチしていますから、どうもロヒアリムにはそういう動作の伝統があるみたいですね。 -- 2015-07-01 (水) 01:38:14
    • あれは1度は空中に浮かせた槍を再び掌で握り返すという離れ技をやったのけた役者さんの力量の証なのでは?手綱を片手だけで操りながら。乗馬も上手かったですね。 -- 2015-07-03 (金) 00:03:34
      • エオメルの手から槍が離れていた、ということについてですね。 -- 2015-07-03 (金) 00:06:55
      • よく見てみたらそうみたいですね。凄いw -- 2015-07-03 (金) 00:22:47
      • 超速ギャロップの馬上で凄いですよねーエオメルの乗馬シーン戦闘シーンはもっと長い時間、見ていたかったですよ。 -- 2015-07-03 (金) 11:00:06
      • コメント返答場所をミスされたのかと思ったけど、ムマキル使いを槍投擲で仕留めるときも同じ動きをしてたのを思い出しました笑 -- 2015-07-03 (金) 20:15:27
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*1 指輪物語 二つの塔 上』「七 ヘルム峡谷」
*2 王の帰還』「六 ペレンノール野の合戦」
*3 同上
*4 古英語で「幸多き」の意。エオメルがマーク十八代目の王として戴冠した後に呼ばれた名。彼の代に、待ち望まれていた平和と繁栄が訪れたため
*5 それ以前に馬鍬砦のシーンで、セオデンは自分の死後エオウィンを継承者とするような発言をしている。

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Last-modified: 2018-01-26 (金) 21:25:24 (85d)