アヴァリ†
概要†
解説†
クウェンヤで「応ぜざる者たち(the Unwilling)」「辞退者たち(the Refusers)」の意。
二つの木の時代にヴァラールの招致を拒み、クイヴィエーネンから西方のアマンへ移住する大いなる旅に出なかったエルフ(クウェンディ)のこと。これに対し、大いなる旅に出たエルフがエルダールである。
エルフの中でもヴァラールとの関係が最も小さいため、知識や技量はエルフの中で最も劣る。
アヴァリは第一紀にヒルドーリエンで目覚めた人間の最初の教師となった。
しかし、伝えられるところによると、間もなくかれらは、いろいろな場所で暗闇のエルフと出会い、かれらによって助けられることになった。そして人間は、その
揺籃 期に、ヴァリノールに到る旅路に足を踏み出したこともなく、ヴァラールのことも噂や遠い名前としてしか知ることのない、この古き民の友となり、弟子となった。*2
『シルマリルの物語』『ホビットの冒険』『指輪物語』等の物語本編には、アヴァリと明言されている名のあるエルフは登場しない。物語の主な舞台となる中つ国北西部に住みついているエルフはほとんどがエルダールだが、それ以外の土地には多数のアヴァリがいたようである。
『The War of the Jewels』の記述†
「Quendi and Eldar」に、アヴァリについての記述が存在する。
歴史†
原始のエルフはミンヤール、タトゥヤール、ネルヤールの3つの氏族に分かれて暮らしていた。そのうちミンヤールは一族の全員がアマンへ向けて大いなる旅を開始したが、タトゥヤールは一族の半分、ネルヤールは三分の一が東方に留まった。これがアヴァリの起源とされる。
後の時代、アヴァリも次第に西方の土地に広がるようになり、一部の者たちはアンドゥインの谷間に定住したナンドール族に合流したり、エリアドールに住み着く者もいた。
それ以外にも、アヴァリの小さな集団たちが南方からベレリアンドに入り洞窟や森の奥地に住み着いたが、彼らはエルダールに対して嫉妬や敵意を抱き、距離を置いていた(特にアマンから帰還したノルドール族を嫌っていた)。だが彼らの中にも、シンダール族に同化する者たちが僅かながらいたという。
西方のアヴァリの多くは時代を下るごとにシルヴァン・エルフと大差無くなっていったが、それでも第三紀の時点でkindi(キンディ)、cuind(クインド)、hwenti(フウェンティ)、windan(ウィンダン)、kinn-lai(キン=ライ)、penni(ペンニ)の六つの氏族の名*3が記録されている。
呼称と言語†
テレリ語ではAbari(アバリ)やMoripendi(モリペンディ)等と呼ばれていた。シンダリンではEvair(エヴァイル)、Morben(モルベン)、Mornedhel(モルネゼル)等と呼ばれていたがその内Morbenはシンダール族以外のエルダールや人間であるエダイン、稀に東夷にも適用されていた。
上記の氏族名以外に明確にアヴァリ語に由来すると分かる固有名詞や単語は確認されていないが、作中に登場するエルフ語の人名の内、意味の分かっていないエオル(Eöl)はアヴァリ語の名前である可能性がある。
Include/エルフ†
エルフ(クウェンディ)の分類 | |||||||
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エルダール | アヴァリ | ||||||
ヴァンヤール | ノルドール | テレリ | |||||
ファルマリ | ファラスリム | シンダール (灰色エルフ) | ナンドール | ||||
ライクウェンディ (緑のエルフ) | タワルワイス (シルヴァン・エルフ) | ||||||
アマンヤール | ウーマンヤール | ||||||
上のエルフ | 暗闇のエルフ |
コメント†
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