アラゴルン二世

概要

カテゴリー人名
スペルAragorn II
その他の呼び名エステル(Estel)、ソロンギル(Thorongil)、馳夫ドゥナダンエレスサール、エンヴィンヤタール(Envinyatar)、テルコンタール(Telcontar)
種族人間ドゥーネダイン
性別
生没年第三紀2931年3月1日~第四紀120年3月1日。ドゥーネダイン族長2951年~3019年(68年間)
アラソルン二世(父)、ギルライン(母)
兄弟なし
配偶者アルウェン第三紀3019年夏至)
エルダリオン(息子)、娘複数人

解説

指輪の仲間の一人。北方の野伏ドゥーネダイン)の16代目族長。エレンディルの息子イシルドゥアの末裔に当たるため、北方王国アルノール南方王国ゴンドールの正当な王位継承者である。エレンディルの子孫の中でも、最もエレンディルその人に似ていると言われる。また、イシルドゥアの長子エレンドゥアに生き写しであった。

生い立ち

第三紀2931年に生まれ、その後2933年に父親のアラソルン二世を亡くす。そのため母親のギルラインと共に裂け谷に行き、エルロンドの養子として育てられる。アラゴルンはその出生を秘密とされ、エステル(シンダール語で「望み」の意)の名で呼ばれた。
やがて成人した2951年、アラゴルンはエルロンドより自らの出生の秘密を明かされ、折れたナルシルバラヒアの指輪を渡される。その後アラゴルンはアルウェンに出会って恋に落ちる。

ソロンギルの名での旅

彼は各地を放浪して旅を続ける。2956年にはガンダルフに出会って友人となり、彼と共に様々な旅をした。アラゴルンは各地でサウロンの手先と戦った。

またアラゴルンは2957年より、自分の本来の名を隠しつつ、ローハンセンゲル王(セオデン王の父)、またゴンドール執政エクセリオン二世デネソール二世の父、ボロミア二世の祖父)に仕える。その時アラゴルンはマントに銀の星を付けていたため、「星の鷲」の意であるソロンギルと呼ばれていた。
ソロンギルは特にゴンドールで国民に人気があった(そのためデネソール二世にねたまれる。またデネソールはソロンギルの正体に感づいていたため、彼が王位を要求しないかと恐れていたようである)。
ゴンドールにおいて、海賊の脅威を感じていたソロンギルはエクセリオン二世の許しを受け、小艦隊を率いてウンバールを奇襲する。それにより、わずかな損害と引き替えにウンバールの船の大半を破壊するという大戦果を上げ、ゴンドール南部沿岸地方の脅威を大幅に軽減した。だがアラゴルンは、彼を褒め称えるミナス・ティリスの町には戻らず、そのままひとり姿を消す。当時ゴンドールの国民はこのことを重大な損失と見なし、競争者即ちデネソールが王となる前に自ら去ったのだと考えた。

その後アラゴルンは、2980年にロスローリエンの地でアルウェンに再会し、婚約の誓いを交わして彼女にバラヒアの指輪を渡した。だがエルロンドには「アルウェンの夫となるにはアルノールゴンドールを統べる王以上の人間にならなければならない」という条件をつけられていた。

指輪物語』でのアラゴルン二世

指輪戦争の直前の3009年より、アラゴルンは一つの指輪の存在を確認したいというガンダルフの相談を受ける。そこでアラゴルンはゴクリ捜索を提案。2人はゴクリの捜索を続けた。
アラゴルンは、ガンダルフが(イシルドゥアの記録を調べるため)ゴンドールへ向かった後も一人でゴクリ捜索を続けていた。やがてついに3017年にゴクリを発見する。ゴクリを闇の森まで連れて行った後は、アラゴルンはホビット庄をサウロンの手先から密かに防衛するという任務に従事。やがて3018年9月29日、ブリー村フロド達に出会う。この時にはフロドたちに「馳夫」の名で呼ばれていた。
アラゴルンはフロドたちを裂け谷まで案内。さらに指輪の仲間の一員として、彼と冒険を共にすることになり、12月25日に裂け谷を出発。翌3019年1月15日にモリアガンダルフが奈落に落ちてからは、一行の導き手として彼らをロスローリエンに案内した。
3019年2月16日パルス・ガレンで指輪の仲間が離散した後は、フロドの運命は自らの手から離れたことを悟り、アラゴルン自身はレゴラスギムリと共に、オークにさらわれたメリアドク・ブランディバックペレグリン・トゥックの救出に向かった。
その途中アラゴルンたちは、エオメルに出会う。エオメルからローハンの馬ハスフェルを借り、メリー、ピピンの追跡を続行。その途中で、白の魔法使いとなったガンダルフと再開した。
アラゴルンたちはガンダルフと共に、ローハンがサルマンの軍勢と戦うのを援助。こうして、ローハン軍がゴンドールの救出に向かえるようにする。その過程でアラゴルンは、エオメルとの友情をはぐくんだ。

だが彼はエオメルやローハンの軍勢とは別れ、レゴラスギムリ、そして新たに合流したエルラダンエルロヒア、それにハルバラドをはじめとする北方の野伏たちとともに、自分のために届けられた乗馬ロヘリンにまたがって、死者の道を経由してエレヒへと向かう。彼はエレヒにて、イシルドゥアの呪いによりこの地に縛られていた死者の軍勢を招集して、ペラルギア方面にいたサウロンの同盟軍を駆逐。海賊の船を奪うと、南方のゴンドール同盟軍を船に乗せてペレンノールへと到達。包囲されていたミナス・ティリスを救出した。その後アラゴルンは、黒の息に冒されたファラミア二世エオウィンメリアドク・ブランディバックほか多数の人々を、癒やしの力で救う。この時アラゴルンは、身につけていた緑の石のために、ゴンドールの人々から「エルフの石の殿」即ち「エレスサール」と呼ばれるようになった。

その後アラゴルンは、ガンダルフエオメルらと共に、ゴンドールローハンの軍勢(西軍)を率いて3月18日に黒門前まで進軍を開始。自分たちを囮にして、フロドのモルドール侵入を容易にしようという作戦であった。彼らは3月25日、黒門前でモルドール軍に包囲され、壊滅するところであったが、フロドが滅びの罅裂一つの指輪を破壊するのが間に合う。サウロンの力を失ったモルドール軍とその同盟軍は総崩れとなり、西軍は大勝利を収めた。

アラゴルンは、ソロンドールらによって救出されたフロドとサムを癒やす。それからイシルドゥアの世襲である正当な王位後継者として、エアルヌアラス・ディネンに置いていったゴンドールの王冠を戴き、エレスサール王として5月1日に戴冠した。

夏至の日には、エレスサール王は裂け谷のアルウェンと婚姻。さらに、エルロンドよりアンヌーミナスの王笏を受け取り、統一された北方王国南方王国の王となった。

第四紀のエレスサール王

エレスサール王は、なおも東方にてサウロンの同盟軍の残党と戦わなければならなかったが、エレスサール王の元で、西方諸国はかつてない繁栄と平和を得ることができた。
エレスサール王は、エレンディル以来のもっとも偉大な王として、120年の間ゴンドールを統治する。またアルウェンとの間には、エルダリオンをはじめとする子を残した。
だが第四紀120年、自らの老衰を感じたエレスサール王は、エルダリオンや娘たち、そしてアルウェンに別れを告げると、ラス・ディネンに自分のために用意された棺台に身を横たえ、崩御された。メリアドク・ブランディバックペレグリン・トゥックの棺台は、王の棺台の傍らに並び置かれたという。

名前の意味

アラゴルン
意味は正確には不明。ドゥーネダインの族長としての名
エステル
シンダール語で「望み」の意。アラゴルンの正体を隠すためにつけられた幼名。エレスサール王のいまわの際、アルウェンにもこの名で呼ばれていた
ソロンギル
シンダール語で「星の鷲」の意。彼がローハン及びゴンドールに仕えていたときの名。彼が眼光鋭く、またマントに銀の星をつけていたため
馳夫
ブリー郷での通り名。詳細は馳夫の項目を参照
ドゥナダン
シンダール語で「西方の人」の意。ドゥーネダインの単数形。裂け谷での呼び名
エレスサール
シンダール語で「エルフの石」の意。ガラドリエルによって予言された名で、実際にゴンドールの人々からこの名で呼ばれるようになる。アラゴルンが緑の石を身につけていたため
エンヴィンヤタール
中興王(Renewer)の意。アラゴルン二世が名乗った王としての名
テルコンタール
シンダール語で馳夫(strider)の意。アラゴルンを初めとするアルノールとゴンドールの王家の名。
しかしもし我が家系が創立されたなら、その王家の名称は馳夫としよう。これも古代語でいえば、響きはそう悪くはない。わたしもわたしの直系の世継たちもみなテルコンタールを名乗ろう。*1

映画『ロード・オブ・ザ・リング』における設定

俳優ヴィゴ・モーテンセン(当初はスチュアート・タウンゼンドの予定だった)
日本語吹き替え大塚芳忠

彼は折れたナルシルを持ち歩いておらず、指輪の仲間として裂け谷を出発したときもアンドゥリルは持っていない。アンドゥリルは、彼が馬鍬砦にいるときにエルロンドが届けにやってくる。
また(原作ではアルウェンに与えているはずの)バラヒアの指輪を、終始自分が身に付けている。
ヴィゴ・モーテンセンが「野伏は弓を持っていないと狩りが出来なくて飢え死にしてしまう」という指摘により、原作では触れられていなかった弓矢も携行しており、モリアの戦闘で使っている。
ボロミア二世を葬った後、彼が使っていた手甲を形見として身につける。
乗馬のロヘリンは登場せず、代わりにブレゴのエピソードが追加されている。

ゲーム『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における設定

最初は「馳夫」として躍る小馬亭におり、フロドがブリー村に辿り着くための援護をするよう依頼するクエストを与えてくる。
その後アラゴルンは裂け谷に移動。こちらで、アングマールに向かった野伏の消息を探る任務や、ナルシルを鍛え直すための部品を捜す任務を与えてくる。

コメント

最新の6件を表示しています。 コメントページを参照

  • ソロンギル時代のアラゴルンの活躍、想像膨らみます。若き日のデネソール二世とも出会ってるんだよね、確か。外伝的に作品化されないかな。 -- 2007-10-07 (日) 01:20:39
  • 人間族最高の貴種にして、高潔、豪胆、聡明。なによりもユーモアを解し、種族間の偏見がない点でこの人以外に第四紀の中つ国を治める王はいない。つーか、こういう魂持ってる人なくしては王制って機能しない。 -- 2007-11-01 (木) 00:48:11
  • 養父とそっくりな娘に恋する、という感覚はいまだによく分かりませぬ…。 -- 05 2007-11-01 (木) 02:38:26
  • よく考えてみると正統な王権を持つ者が何故か執政に仕えるという奇妙な構図なんですね(笑)。 -- れいれい 2007-12-25 (火) 12:49:25
    • そりゃ自分の部下になるかもしれない男を素のままで見ておきたかったんでしょう…… -- 「ど」の字 2008-02-09 (土) 17:23:58
      • セオデンのときのように、子供時代のデネソール二世にも会っていたのだろうか? -- 2008-02-10 (日) 10:27:05
      • 追補編にはデネソールがソロンギルをライバル視していたっぽいことが載ってる。 -- 2008-02-10 (日) 23:14:23
      • 子供って(笑)デネソールとアラゴルン1歳違いだ(笑)ほぼ同い年の異国人を自分より重用した父ってのが彼の最初のトラウマなんだろうなー -- 2008-02-15 (金) 11:36:48
      • やはり追補編ですが、デネソールがソロンギルの正体を見抜いていたかもしれないことが述べられていますね。若き日の英雄ふたりはどんな想いで互いの横顔をみつめたのでしょう。ウンバール奇襲戦にデネソールが参加(父の命令?)して、葛藤を秘めながらも別働隊として共闘してたりしたらすっげぇドラマチック。 -- 粥村在住 2008-02-17 (日) 00:29:09
  • Wikipediaの記事に「210歳でみずからの意思でこの世を去った」とありますが… どこかにその記述があるのでしょうか? -- のらお 2008-02-20 (水) 20:16:12
    • 「指輪物語」<追補編>にはいっている「アラゴルンとアルウェンの物語」にこのへんは詳しく載っています。感動的なお話ですので一読をお勧めします。9冊組の文庫版「指輪物語」には含まれていません。第10巻というかたちで、10冊組のものには入っています。また「指輪物語」<追補編?のみも文庫で購入できます。トールキン教授が最初「指輪物語」を刊行するさいに、いっしょに「追補編」もつけなければ内容がわからないのでいっしょに出すように出版社に要求しらものです。「指輪物語」にいたる中つ国の歴史やエルフ語の考察など、すばらしい内容ですよ。 -- 2008-02-21 (木) 17:42:10
  • アラゴルンが昔ゴンドールに長期滞在して公人としてのステータスを得ていたのであれば、ペレンノールの戦いの後にゴンドールに入ることをあれだけもったいぶったのと平仄が合わないような気がするけれど、まあいいや。ところでアラゴルンはデネソールとほぼ同い年、セオデンより17も上なんですね。セオデンが老人として描かれているところからすると、アラゴルンにしてもデネソールにしてもヌーメノールの血が流れている者は依然として長命で老いるスピードが遅いのでしょう。 -- む 2008-04-22 (火) 01:13:48
    • ソロンギルの時は名も無き異国人の個人としてですが、ペレンノールの時は王旗掲げてアルノールの継承者として来ているわけで立場が違うのですから、そりゃ慎重にもなるでしょう。 -- 2008-04-22 (火) 01:18:42
      • あと、単純に多くの若い世代はソロンギルの顔を知らないのでは?でもソロンギルとともに戦った兵士たちのうち、生き長らえていた者がいたとしたら、ついに戴冠して入城を果たしたアラゴルンの姿を見て驚きと喜びに涙したことでしょう。 -- 2009-04-05 (日) 23:21:18
お名前:

*1 『指輪物語 王の帰還』イムラヒルの独白を受けてのアラゴルンの言葉

アイコントップ   アイコン編集 アイコン凍結 アイコン差分 アイコンバックアップ アイコン添付 アイコン複製 アイコン名前変更 アイコンリロード   アイコン新規 アイコン一覧 アイコン単語検索 アイコン最終更新   アイコンヘルプ   アイコン最終更新のRSS
Last-modified: 2009-05-19 (火) 14:50:29 (185d)