アセラス†
概要†
カテゴリー | 植物 |
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スペル | Athelas |
その他の呼び名 | 王の葉(kingsfoil)、アセア・アラニオン(asëa aranion) |
解説†
シンダリンの呼び名。共通語では王の葉とも呼ばれ、一般にはその名で知られる。クウェンヤでの呼び名はアセア・アラニオン。
ヌーメノールから持ち込まれた薬草で、中つ国では暖かいところか、ドゥーネダインのいたところに自生している。独特の刺激性と清涼感のある芳香があり、すりつぶしたり湯に投じたりするとその香りはいっそう強まる。その芳香はすがすがしく...心が鎮まり清まる*1、気分が爽快となり、力がつく*2、元気づく匂い、いやな匂いのする空気を清めたり一時的なけだるさを追い払う*3等と表現される。
その真の薬効は一般にはほとんど忘れ去られており、第三紀末のゴンドールでは頭痛時に煎じて飲まれているぐらいだったが、「正当なる王の血筋の手」で使われることによって絶大な効果を発揮する。このことは戯れ歌の形でかろうじて伝承されていた。
それからかれ(アラゴルン)は葉っぱを二枚取って両手にのせるとふっと息を吹きかけ、それから揉みつぶしました。するとたちまち新鮮な生気が部屋にみちみちました。あたかも空気それ自体が目覚めて打ち震え、喜びにきらめくかのようでした。それからかれはその葉っぱを運ばれてきたいくつかの湯気の立ち昇る碗の中に投げ入れました。するとたちまちみんなは心が軽くなりました。なぜなら、一人一人のところに匂ってきた芳香は、どこの国か、翳ることない陽光の輝く露しげき朝まだきの記憶にも似ていました。もっともこの世の春の美しい世界自体が、このどこの国ともしれぬ地の束の間の記憶にすぎないのですが。*4
『指輪物語』本編では主に、モルグルの刃を受けたフロド・バギンズや、黒の息に冒された人々を治療するためにアラゴルン二世の手によって用いられた。
使用法は、沸かした湯の中に手で揉みつぶした葉を投げ入れ、その湯で傷口や患部を洗うというもの(外傷がある場合は、その後で通常の傷の手当てを行う)。
黒の息に対しては事実上の特効薬である他、モリアでオークの槍の一撃を受けたフロドの打ち身を治療するためにも使われており、通常の傷にも効果を発揮するものであるらしい。だが必殺の武器であるモルグルの刃の傷に対してはさしものアセラスでも効果が薄く、傷の進行を遅らせることしかできなかった。
療病院においてヨレスが口にした歌の通りにその手でアセラスの薬効を引き出して人々を救ったことは、アラゴルンが「王の再来」としてゴンドール人に広く認められるきっかけとなった。
映画『ロード・オブ・ザ・リング』における設定†
モルグルの刃で刺されたフロドを治療するのに、アラゴルンが使用した。使い方は原作と異なり、口で噛み潰した後で直接傷口に押し付けている。
『王の帰還』のエクステンデッド・エディションでは、アラゴルンがエーオウィンの黒の息を治療する場面が追加されたが、アセラスの話などは出ていない。
映画『ホビット』における設定†
原作には登場しないが、登場。タウリエルがモルグルの矢を受けたキーリを治療する時に使う。
エスガロスの人間はこの草の効用を知らず、豚の飼料にしていたが、オーインやタウリエルはアセラスに強い薬効性があることを知っていた。
コメント†
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